023鳴狐くによ
催眠術を扱い睡魔と戦う真剣少女。睡眠中の不覚を強く恐れ、朦朧としつつも手を尽くして眠気に抵抗している。時には術により周囲も巻き込んでしまう迷惑な一面も。トランス状態の境地で「鳴狐」と縁を結ぶ。
この刀、名物「鳴狐」は粟田口国吉の作で、平造の短刀を大きくして反りをつけたような、鎌倉時代の作品としてはとても珍しい形をしているんだ。寸法的には脇差なんだけど、鎌倉時代に脇差はなかったので、その後の腰刀の先駆けとも言われてる。
珍しいといえば、短刀作りが多かった国吉にしては長い刀だし、腰に刀を差したときの鞘の外側、差表に銘が刻まれているのも稀なことで、鳴狐の特徴のひとつだね。鳴狐には、江戸時代に作られた金梨地葵紋蒔絵刀筒が付属しててね、大切に保管されてきたんだろうね。
鳴狐の号の由来は不明だし、そろそろ寝かせて欲しいんだけど、鳴狐は山形藩の秋元家に伝わって来たとされる。そうそう、平安時代の今昔物語にキツネの話が収録されててね、そこには「来つ寝」つまり「来て寝よ」というのがキツネの語源だとしているんだ。来て寝よ、か……それじゃ、おやすみなさい…。
001 与刀匠的邂逅
どうも……鳴狐くによです。寝ないで頑張るから、アタシが寝るときにはいい夢見させてくれる?
うぅ……険しいカオでごめん……。眠気をこらえてるとどうしてもこんな表情に……。
眠らないように自己催眠も試してるけど、催眠って字面がすでに眠気を誘ってるよね……。
はあ……あんたにウインクの一つでもしたら、その瞬間に脳の半分が眠りそう……。
………………。
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え? えっ? あ、いや別に寝てない。寝てないから。ちゃんと目は開いてたよ?
大丈夫大丈夫。眠気のピークはすぎたから。あとはもう活躍あるのみだよ。
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